読んで得られる情報
- 知識|温度によるデメリット
- 取り扱い方|保管や機器への接続方法
- 毎日使うとどうなるか|5年目の感想
上記3点ついて他のレビュー記事より詳しい紹介を行い、下記3点をメイン内容としてお伝えします。
Redodo 12V410Ah
リン酸鉄リチウムイオンバッテリーについて
- ポータブル電源からRedodoバッテリー充電
- 簡易的な電源システム作りからRedodoバッテリー放電(エアコンへ負荷)
- Redodoリン酸鉄リチウムイオンバッテリー安全性
動画・画像を添えてお伝えします。
※Redodoバッテリー紹介記事については、合計3本の記事を公開します。
リン酸鉄リチウムイオンバッテリー(LiFePO4)は、2019年付近から国内に普及しているリチウムイオンバッテリーの仲間です。同じリチウムイオンバッテリーの中では、比較的エネルギー密度の低い蓄電池(二次電池)になります。
デメリットとして、使用環境の『温度』による充放電から「急速な劣化・内部短絡」の発生が起こりやすくなり、サイクル寿命の低下へ繋がる特性があります。
ナトリウムイオンバッテリーが温度に関するデメリットを克服できる性能を持っている事から、リン酸鉄リチウムイオンバッテリーは、使用する環境の温度基準をシビアに決める事で全てメリットへ転換できます。(エネルギー密度:Naバッテリー低い⇒LiFePO4高い)
そのメリットは、下記に表示します。
- 高出力
- 急速充電
- 長寿命
- 低自己放電率
- 発火温度まで達しない安全性
一般的な鉛蓄電池と比較してサイクル寿命がはるかに長く、エネルギーを深く取り出してからの再充電を繰り返しても、バッテリー劣化の進行が遅く様々な用途に適しています。
また、鉛蓄電池と比較した場合、軽量化が図られており持ち運びや設置が容易です。
- RV車用のサブバッテリー電源システム
- 車中泊用の簡易的なポータブル電源
- キャンピング用の野外電源
- 風力発電・太陽光発電用の蓄電池
- 停電時の非常用電源
上記5点の電源システムへ、リン酸鉄リチウムイオンバッテリーを使用する事ができます。
皆さんも1家電オフグリッドを目指してはいかがでしょうか?
ここまで聞くと、幅広い用途から経済性も高く、おまけにエコで環境に優しい性質などから鉛蓄電池の代替えエネルギーとして最適だと感じます。
しかし、リン酸鉄リチウムイオンバッテリーも「リチウムイオンバッテリーの仲間」ですから、危険性が伴い取り扱いには注意する点を覚えましょう。
リチウムイオンバッテリーの取り扱いによる注意点
- 過充電
- 過放電
- 過電圧
- 過電流
- 短絡
- 過熱
などが発生すると、バッテリーセル内の各電圧が不揃に始まり劣化⇒損傷へ繋がる。寿命が縮んだバッテリーセルは、膨張⇒爆発までのリスクが上がります。
そのため、リチウムイオンバッテリーにはバッテリーマネジメントシステム(BMS)が重要になります。
BMS主な役割
- 負荷(使用製品)に対して機能する放電保護
- 不要な電圧・電流に対して機能する充電保護
- 急な電気回路の発生に対処する短絡保護
- バッテリー内外の温度保護
使用時の万が一に備えた「過充電保護・過負荷保護・過電流保護・過電圧保護・過熱保護・ショート保護」がBMSへ備わっており、バッテリー機能をストップさせて被害を最小限に抑えます。
これは、リン酸鉄リチウムイオンバッテリーも同じ事になり、リチウムイオンバッテリーを使う最低条件の機能と言えるでしょう。
※煙の物質は「ハフニン」と言われ、人体(特に目)に有害です。見かけた場合や落として破損した場合は、喚起を行い「吸引・煙に触れない」対策を行いましょう。
メリットからデメリットまで知ると、使用する場所の温度を気にするだけで色んな電化製品を使えるため、リン酸鉄リチウムイオンバッテリーを所持する事は、非常時の電源確保から日常使いまで通用する大変便利な物です。
そこで今回は、
- 本体・付属品
- 使用する前の準備
- 使用した感想
3点に絞った『Redodo リン酸鉄リチウムイオンバッテリー 12V410Ah』について紹介します。(全部で3本記事を作るからお楽しみに♪)
ブランド情報
- ブランド Redodo(レッドオデオ/レッドード/レッドオド)
- 旧ブランド zooms
- 製造国 中国 深圳市(シンセン)
- 公式ウェブサイト(US)https://www.redodopower.com/
- 公式ウェブサイト(JP) https://jp.redodopower.com/
- 会社名 深圳麦呈科技创新有限公司
- 英語名 Shenzhen Maicheng Technology Innovation Co., Ltd
- 住所 深圳市龙岗区龙城街道黄阁坑社区吉祥里豪庭1栋B座16B
- 設立 2020年10月12日
- 代表取締役 晏琼瑶
- 流通先 日本・アメリカ・ドイツ・カナダ
スペック(基本情報)
- 公式商品ページ https://jp.redodopower.com/products/redodo-12v-400ah-lifepo4-battary
- 商品名 Redodo 12V 410Ahリン酸鉄リチウムイオンバッテリー
- PSE 認証 (メーカー・輸入業者が国内で電気製品を販売する電気用品安全法)
- 国内倉庫 埼玉・千葉に倉庫(注文の翌日に発送)
- 24時間の日本語サポート(HPチャット機能あり)
- 5年間の品質保証
本体ケース内セル情報
- セル 四角LiFePO4
- セル抵抗 6ミリオーム
- 正極素材 リン酸鉄リチウム|リン(P)鉄(Fe)リチウム(Li)
- 負極素材 グラファイト(黒鉛)
- 電解液 リン酸鉄リチウム
- セル構成 3.2V4直列
充電・放電・電力量など
- 充電方法 専用充電器/ソーラーパネル(コントローラー付き)/走行充電器
- 動作電圧 12.8V
- 充電電圧 14.4±0.2V
- 最大放電電流500A(5秒)
- 最大瞬間負荷出力6400W(5秒)
- 最大継続充放電電流 250A
- 最大負荷出力3200W
- 使用可能容量 410Ah
- 電力量 5248Wh
容量拡張性・サイクル寿命
- 4P(並列)4S(直列)接続83968Wh(51.2V 1640Ah)
- サイクル数4000回以上
- 期待寿命10年以上
バッテリー本体情報
- バッテリーパックケース アクリロニトリル・ブタジエン・スチレン(ABS)
- 本体サイズ L520*B268*H220mm
- 本体重量 約37.5kkg
温度範囲
- 充電:0℃~50℃(32℉ to 122 ℉)
- 放電:-20℃~60℃(-4℉ to 140 ℉)
- 保存:-10℃~50℃(14℉ to 122 ℉)
出荷時に105%~110%充電して送るようなフレーズをサイト内で確認しまして、LiFePO4セル3.2V400Ahへ14.7V以上15.0V未満、充電電圧を入れて「使用可能容量400Ahに対して電力量5248Wh」を蓄えているか確認します。
ご質問についてお答えします。
①12V410Ahページの表示について
確かに、社内では410Ahのバッテリーを便宜上呼ぶために400Ahと言うことがありますが、実際のセル容量は410Ahであり、5248Whに対応しています。
公式サイトのURLが400Ahと表示されているのは誤りです。ご指摘ありがとうございます。
②セルバランサーについて
Redodoバッテリーにはセルバランサーが搭載されていますが、より効果的な均衡を求める場合は、外部のバランサーを追加購入することをお勧めします。
URLについては、パーマリンク入力ミス・容量については、実際に410Ahセルを使用しているみたいです。(安心しました)
※充電中に機能するパッシブルセルバランサーが搭載されている。充電・放電・無負荷の状態でも電圧均等する場合はアクティブバランサーが必要になる。
Redodo12V410Ahリン酸鉄リチウムバッテリーを自宅で使う場合は、DCAC正弦波インバーターを使う事で電化製品を使えます。
温度について
低温について
全バッテリーの特徴として寒い環境になるにつれて充電・放電どちらも上手に行えないを覚えましょう。
0℃まで下がる寒冷地での充電・放電は「ヒート機能付き」最低でも「低温保護機能(低温カットオフ機能)」どちらか搭載された、リン酸鉄リチウムイオンバッテリーを選ぶことで対処可能です。
両機能の搭載が無いリン酸鉄リチウムイオンバッテリーでは、LiFePO4セル短絡リスクが高まるため、寒冷地での充電を行わない様にご注意下さい。
高温について
充電・放電どちらを行うにしてもバッテリーは熱源になり、設置場所が悪いと更に高温になります。
バッテリーを使用する場所や保管について40℃以上になる環境では、負極側のSEI(Solid Electrolyte Inteface)膜の形成が進みリチウムイオン間の移動量が鈍る事で、充電量(放電量)の減少へ繋がります。
また、「輸送・保管・劣化防止」の兼ね合いからリン酸鉄リチウムイオンバッテリーが自宅へ届く電圧は、13.15V前後になります。
「届いたら始めにリン酸鉄リチウムイオンバッテリーをフルチャージする」こちらは、セル内部を活性化する行いになり、結晶格子の留まりを解消するためLiFePO4セル劣化防止へ繋がる行いと言われています。
そのため、リン酸鉄リチウムイオンバッテリーへ適切な充電が行えるCCCV充電器(LiFePO4専用充電器)を保有する事をおすすめします。
また、パッシブルセルバランサーによるセル電圧均等は、1セルがフルチャージを迎えると他セルの電圧が追いつくまで熱返還を行います。こちらも熱源発生の1つとして覚えましょう。
※再生可能エネルギー太陽光発電(ソーラーパネル)から充電を始める前にCCCV充電器を使う事
リン酸鉄リチウムイオンバッテリーの保管について
リン酸鉄リチウムイオンバッテリー自己放電率は月0.1%と言われており、長期間使わずに放置しても問題はありません。
しかし、保管する場所や温度、そしてメンテンナンス充電はバッテリー劣化の観点から定期的に行う事が必要です。
保管(保存)する場合も同様に高温多湿にならない場所を選び、製品到着の際の電圧(13.15V前後)より低い状態(なるべく13.1V40%)を保ち、涼しく風通しの良い環境(10℃以上~35℃以下)を選び保管(保存)しましょう。
リン酸鉄リチウムイオンバッテリーに対して悪い環境では、容量に対して休眠状態が発生する。リチウムイオンの一部がアノード(陰極または負極)へ移動せずカソード(陽極または正極)の結晶格子に留まり動かなくなり、規定サイクル内に容量低下を大きく感じます。
保管時の定期的なメンテナンスとして、定格電圧12.8Vを下回らない状態を保ち、3ヶ月に1度はフル充電を行い電化製品へ負荷を伴う放電(出力)を行う。
このように内部活性化を定期的に繰り返し劣化防止へ向けた管理を行い、サイクル寿命を削らない様に保管しましょう。
余談
過充電を起こした際にバッテリー機能が戻らず、自己放電により復帰を試みた経験があります。経験する機会は皆さん含め少ないと思いますが、バッテリー機能が5Vロックされ正常電圧まで復帰するのに一か月以上の放置を行った事があります。(BMS管理の甘いバッテリーは過充電に注意)
※自己放電率も低いため、使用しない間も損失が少ない点はメリットです。
防水防塵IP65について
高い方ですが濡れても良い防水性能ではありません。バッテリー本体が濡れない設置場所を作り、濡れてしまった場合は絶縁手袋を装着して乾いた布で拭き取りましょう。(防塵性能については問題ない)
そのため、鉛蓄電池の代替品としてわが家では、リン酸鉄リチウムイオンバッテリーを多く使っています。
比較して分かる通り、実用性に優れた大容量バッテリーセルを内蔵しています。
※リン酸鉄リチウムイオンバッテリー5kwhからエアコンを使う場合、節電を心掛けると12時間以上使えます。
- 災害による停電時のバックアップ電源
- キャンプなどのアウトドアアクティビティにおける電源
- 電気代節約に使う1家電オフグリッド電源(コレ私の使い方)
- 再生可能エネルギーから完全オフグリッド電源
- 車中泊に使うサブバッテリー電源
自宅から野外まで幅広い場面の電源システムとして、リン酸鉄リチウムイオンバッテリーを組み込みAC100V家電製品が使えます👍(DCのまま使える電化機器なら、そのまま使えるね♪)
直列(S)・並列(P)接続の限度について
基本的なリン酸鉄リチウムイオンバッテリー並列接続の数は、同じ「電圧・容量・ブランド」を揃えて4台まで配線接続が可能です。また、購入時期の近い状態で並列接続する事が、セル電圧のバランスを最小限に抑えられおすすめです。
※並列接続8台まで接続可能なリン酸鉄リチウムイオンバッテリーもある
リン酸鉄リチウムイオンバッテリー直列接続の数は、48V(51.2V)までが一般的です。国内外ではDC70V付近のバッテリーを搭載したゴルフカートなどを目にする機会もあると思います。
輸入する場合の上限電圧はDC60V未満になります。ポータブル電源の蓄電部に使われているLiFePO4電池についても同様にDC60V未満です。
そのため、単一パッケージされたリン酸鉄リチウムイオンバッテリーやポータブル電源などは、中国より12V・24V・36V・48Vとして輸入されます。
リン酸鉄リチウムイオンバッテリー48Vについては、電圧の上限と覚えて頂いて結構です。
規格が決まっているという事は、関連する部品についても上限48Vまでに製造されており、48Vバッテリーは基本的に100Ah(12V100Ah×4台と同容量)が多く出回っています。
容量10Ah多い12V410Ahは4P4S接続により48Vを作る事で、他の48V100Ahより多い蓄電池の自作が可能です。
今回、本製品(Redodo 12V 410Ahリン酸鉄リチウムイオンバッテリー)を2台お借りしてきました。3本のRedodoバッテリー記事を作り、最終的には電源システムを作り使用した感想を5年間の経験を踏まえてレビューします。
私の様な12Vバッテリー生活・ポータブル電源を好む方は、過去の経験や日常のオフグリッド情報も下記よりどうぞ♪
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※本篇では、12V(12.8V)410Ahどちらも混在して記載します。(同じバッテリーの事です)
Redodoバッテリー本体および付属品
外箱から読み取る情報
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※梱包状況(緩衝材・本体を覆うビニール)などInstagram動画にまとめています。
付属品の説明
内容物一覧
- バッテリー本体(12.8V410Ah)
- 絶縁プラグ×2(プラス・マイナス端子保護)
- クリアファイル(ジッパー式)
- 製品マニュアル
- 操作ガイド(初心者向け)
- ターミナルボルト×2セット合計4本(1セット予備)
- 絶縁カバー×2(ターミナルボルト用)
- ブランド名入り用途別シール(キャンピングカー・ホームオフグリッドなど)
※ボルトを長くしすぎない事、できるだけバスバー分岐を心掛けましょう。
※付属品についてInstagramリール動画も参考にどうぞ♪
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Redodoバッテリー
マニュアル解説動画
※鉛バッテリー充電説明フローティング段階(トリクル・フロート充電はLiFePO4バッテリーには必要ない)
動画の補足|ケーブル選びの基準
(電流許容量・許容電流算出周囲温度)
※マニュアルに放電深度(DOD)情報はありませんでした。
次は、バッテリー本体について説明します。
バッテリー本体の説明
バッテリー本体はとてもシンプルな外見です。(取っ手・ターミナルボルト接続箇所のみ)
非密閉型の鉛ディープサイクルバッテリーの様に、ケーブル接続部分が片側2か所も無いため悩む事なくボルト接続が可能になります。
デザインは爽やかですが重量37.5㎏とヘビー級になり、容量別リン酸鉄リチウムイオンバッテリーの中でもトップクラスの重量になります。
持ち運びに対して1人でも可能ですがリチウムイオン電池を落としては危険です。できるなら他の人と一緒に持ち運びを行い、注意を払いながら設置しましょう。
リン酸鉄リチウムイオンバッテリー自体の保護機能は万全でも、設置が不完全だと他の物と干渉してケース破損へ繋がります。
「日本語マニュアル・本体のデザイン性が高い」この2点は評価できる👍
※あまりにも低価格なリン酸鉄リチウムイオンバッテリーは、外箱・緩衝材・本体だけです。Redodoバッテリーが一般的と表記しましたが良い方として捉えてください。最高のリン酸鉄リチウムイオンバッテリーと言われている物は、セル自体が強固な金属製の箱に入り全体が収まるケース事態も金属製となっています。最大の魅力はアクティブバランサー付きになり、修理改良が行いやすい物となっています。(容量に対して金額が高く、私には手が届かない代物です)
それでは、バッテリー出力へ向けた充電の準備を行います。
バッテリーを使用する前の準備
- 絶縁手袋を装着する
- ターミナルボルト・絶縁カバーの準備
- バッテリー上部の絶縁プラグを外す
絶縁手袋について
高い電圧を取り扱う場合は、絶縁材の薄いグローブでは電気が通過するため危険です。専用の厚手の絶縁グローブを準備しましょう。低い電圧を取り扱う場合は、画像の様なグリップ部がゴムで覆われた手袋でも十分です。
ターミナルボルト絶縁カバーの準備・絶縁プラグの取り外し
この後、バッテリー電圧測定を終えたらRedodoバッテリー充電作業へ移ります。プラグ取り外し、手元に接続ボルト・絶縁カバーを準備しましょう。
※ターミナルボルト・絶縁カバーについては、負荷端子を取り付け始める際に使用しましょう。それ以外は、絶縁プラグを着用するように心がけてください。
現在のバッテリー電圧を知る
絶縁プラグを取り外した後は、テスターを用いてバッテリー電圧を測定しよう。
テスターを使い電圧を測る
- テスターダイアルをDCへ回して合わせる
- 赤いプローブ(+)⇒バッテリー上部、赤色端子(+)
- 黒いプローブ(-)⇒バッテリー上部、黒色端子(-)
- テスター表示画面の電圧を確認する
素手でプローブの金属部分に触れて計測すると、抵抗が変化するため正確な電圧測定にならず注意が必要です。
また、バッテリー到着後「電圧測定値12V以下・定格電圧12.8V10%付近の場合」などは、製品に何らかの不具合が生じている場合があります。(長期的な保管が原因で、低電圧になっている場合は速やかに充電を行いましょう)
その場合は、状況を伝えやすいようにテスター計測を複数回行い、電圧を書き留めてからメーカーサポート(service.jp@redodopower.com)まで連絡をしましょう。
状況を説明しやすいと初期不良による交換がスムーズに行えます。
専用充電器を使いバッテリー充電を行う
輸送時の規定に基づきバッテリー残量が30%~50%の状態となって自宅へ届く
では、「国外製造⇒国内輸送⇒倉庫保管⇒購入により自宅へ届く」一連の流れにより30%以下へ変化するモノなのか?それか、電圧差内に収まるモノなのか?
実際、充電を行い残量30%~50%をチェックしてみましょう。
それでは、バッテリー劣化防止や電気を安定利用するために充電作業へ取り掛かります。
リチウムイオンバッテリー充電器では電圧が高く、バッテリー内部の保護機能(高電圧切断)が働くため「リン酸鉄リチウムイオンバッテリー(LiFePO4)専用充電器」を必ず準備しましょう。
LiFePO4専用充電器バッテリー接続方法
- バッテリー絶縁プラグを取り外す
- 充電器の電源OFFを確認する
- バッテリーへアンダーソンコネクタを接続する(+側へ丸形端子ターミナルボルト締め・次は-側)
- 絶縁カバーをターミナルボルトへ被せる
- 充電器から延長されたアンダーソンコネクタ同士を接続する
- 充電器ACケーブルをコンセントへ接続する
- 充電器の電源ボタンONを行う(LED赤ランプ点灯)
LiFePO4専用充電器のコンセントプラグを接続する
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ボルトはしっかりと締め付ける(バッテリー端子が緩んでいると、端子が発熱しバッテリー劣化や破損につながる)
プラス・マイナス両方の端子に金属や導電性のものが接触するとショートして危険です。(絶縁カバーを装着した状態でもターミナル部の露出が多いです。必要に応じて養生テープなどを張り付けて埃・水滴・金属や導電性の接触を防ぎ、ショート防止に努めましょう。)
充電ケーブル接続時の火花発生を防ぐため、コンセントへの接続作業を最後に行いましょう。充電完了後は、マニュアルに沿って「接続の逆順番」から、充電器とバッテリーを取り外しましょう。
※充電完了しても1W~2W程度LiFePO4専用充電器の動作を繰り返します。
- 初日|1台目4時間15分・2台目4時間25分
- 2日目|1台目2時間・2台目1時間50分
残量チェックまとめ(30~50%あるの?)
ポータブル電源の容量から感じたバッテリー残量
大容量ポータブル電源3KWh1.5回出力を行い、Redodoリン酸鉄リチウムイオンバッテリー12.8V410Ahへ充電を行い満充電にしました。(バッテリー2台分)
ポータブル電源側の出力OFFは残量5%になると自動的にAC出力を止めます。以上の事から『2.85KWh(95%)+1.35KWh(45%)=4.2KWh』近く充電が行えたことになります。
『バッテリー総電力量5248Wh-充電量4200Wh=輸送時の電力量1048Wh』Redodoバッテリー12.8V410Ahは、大体1KWh電力を蓄えた状態で自宅へ届きました。
バッテリー残量としては20%付近になります。
LiFePO4専用充電器の充電時間から感じたバッテリー残量
バッテリー満充電(LEDランプ赤色点灯⇒緑色ランプ)まで両方とも『6時間15分』になります。
※充電側に使ったポータブル電源の容量差が多少あるため
Redodoバッテリー12.8V410Ahマニュアルで解説した通り「14.6V82A充電では、100%フルチャージまで5時間掛かる」このように説明しました。
半分の14.6V40A充電器では単純に10時間プラスα必要になり、6時間使ったと考えると残量40%が近いのではないでしょうか?
上記内容は、大まかな残量を決める考え方として覚えましょう。実際のバッテリー容量は測定電圧から推測できます。(下記ご参考にどうぞ)
※正解は40%以上(13.1V)~50%未満(13.2V)の間でした。
電圧が落ち着くまで放置する
充電後の電圧チェック
充電器や他の出力機器がバッテリーへ接続されている状態では、正確な電圧測定が行えません。負荷切断を行い可能であればバッテリーから端子類を取り外します。
その後、電圧が落ち着いてからテスターを使うことで、本当の電圧測定が可能になります。
充電後に電圧測定を行うと14.7V以上有り、正確な電圧測定ができません。
バッテリーを放置する時間としては、30分以上経過した後に測定を実施しましょう。
バッテリーを2つ接続する際の電圧
今回お借りした、12.8V410Ahバッテリーは「ブランド・容量・電圧・新品の状態」全ての条件が揃っており「直列・並列」接続に適応しています。
同じリン酸鉄リチウムイオンバッテリーを接続する際は、各バッテリー電圧差を0.1V未満に整える必要が有り、並列接続の後は24時間以上バッテリー電圧を均等に馴染ませるため放置する必要があります。
- バッテリー1つでは、充電後に30分以上の放置が必要
- 並列接続・直列接続には、各バッテリー充電後に24時間以上の放置が必要
- 並列接続後は、各バッテリーセル電圧を均等にするため24時間近くの放置が必要
※30分放置では降下しない場合が多いです。実際は、30分以上と言われてますから、充電後24時間経過する位が100%満充電を確認しやすい放置時間になります。
充電後24時間放置した電圧
それでは、充電も終わりまして48時間経過しました。充電作業の最後は、2台のバッテリーを繋ぎ合わせる工程になります。
直列接続・並列接続どちらも動画を作りました。ご参考にどうぞ
時間が無駄になると申し上げた経緯は、満充電の電圧がSOC100%になるまで「とても時間が掛かる事を知っている」からです。
正弦波インバーターなど電源が入っている状態であれば、14.0V⇒13.5V以下へ直ぐに電圧降下します。
しかし、負荷を切っている状態ではSOC100%13.5Vまで全然落ちません。とても時間が掛かる事を覚えましょう。
それでは、充電については以上になり、Redodoバッテリーを使い始めます。
Redodoバッテリー使ってみた感想
接続方法として「リン酸鉄リチウムイオンバッテリー⇒正弦波インバーター」2点のケーブル接続でも、特に問題はありません。
しかし、「バッテリー接続時の火花を無くす・インバーター接続状態を維持する」両製品の取り扱いに、安全性を高める目的を込めて「サーキットブレーカー250A」をプラス側の中間へ取り付けましょう。
バッテリー・インバーター接続方法(サーキットブレーカー無し)
- 接続ケーブルを準備する(インバーター附属)
- インバータープラス⇒バッテリープラス
- インバーターマイナス⇒バッテリーマイナス
※インバーター電源OFFの確認を行い作業始める
バッテリー接続時の火花を無くす・インバーター接続状態を維持する
接続時の火花は、最後の取り付けに「バチ」っと一瞬閃光が出る程度です。(何度接続してもビビる作業!)
部品接続へ使う丸形端子部が若干焦げたりもします。このような作業は端子損傷へつながり通電を悪くする事から、あまり多く行わない方が無難です。
火花防止はサーキットブレーカーを取り入れる事で解消でき、バッテリー・インバーターの接続を維持したい場合にブレーカー側のスイッチを切るだけで配線した状態を保てます。
また、出力電流250A(12.8V×250A=3200W)付近の大きな負荷をケーブルへ通した場合に、ブレーカー側のスイッチが切れる安全面を考慮した仕組みとなっています。
※今回の接続方法では、バッテリーを2台並列しています。最大負荷出力は3200Wまでとなり、2台6400W消費の恩恵を受ける場合は、画像の様な接続方法を採用してください。
※各バッテリーから高出力を取り出せますが、バスバー許容量を超えないようにしましょう。
※色んな道具を会社に忘れて…!ボルト締めはペンチを使用しています💦
※どのくらい大電流が通過するの?・正弦波インバーター冷却ファンの音は気になる?
動画を見ながら一緒に感じ取ってください。
※12.8V計算です。13.3V出力したならばまだ低い消費電力が出て、12.8V以下ならまだ高い消費電力になる。(消費電力の差を考え、使用する場所の温度を考えてインバーターケーブルを選びましょう。)
このような情報が動画を見て読み取れます(外部から扇風機を当てインバーターを直接冷やしても内部ファンが鳴る)
使用した結果、バッテリー・インバーター・ブレーカーどちらの品質も良好です。
実際使用する場合は、冷却ファン回転音を聞き続ける事になりますから、距離を置いて取り付けると良いでしょう。
何故そこまでリン酸鉄リチウムイオンバッテリー電圧に詳しいの?
私はバッテリー電圧を毎日監視しています。充電が多いバッテリーから優先して使い、セミオフグリッド生活5年目に入りました。
バッテリー電圧が上がりやすい天候や充電の入りにくい気温など、長いバッテリー生活の中で分かるようになります。(皆さんも使い続けたら覚えられることです)
なので、満充電へ向けた充電電圧の抜け(降下)には、時間が掛かる事を文章・画像・動画で状況説明できます。
誘導負荷のある電化製品をバッテリー出力から使う事も、過去に自動車用鉛バッテリーを複数台から動かしたり、リン酸鉄リチウムイオンバッテリーを数台壊したり色んな経験を積んでいます。
その中で1点、注意してほしい事があります。
バッテリーをレビューするためだけに一時的に使っている動画・記事の内容は、全てを受け入れない様にご注意ください。
「使い続けるとBMS故障へ繋がる・消費電力が高くケーブル負担が大きく発熱している・バッテリー全量(9.5V)を使いセル電圧差を開く」このようなレビューを真に受けて取り扱い使用すると「内部基盤の故障・ケーブル出火・セル劣化・過放電しやすい」このような影響を大きく受けます。
※リン酸鉄リチウムイオンバッテリー並列接続を行ってから、不調・故障などは現在まで起きていません。(逆にバッテリー単独⇒高負荷は全て1年近くで壊れました)
それでは、Redodoリン酸鉄リチウムイオンバッテリー12V410Ahについて感想を伝えます。
大容量バッテリーの安定した電力供給に関する事
連続放電250Aと出力が強く家電製品を使うために不満の出ないBMS、対して定格電圧12.8V×容量410Ah=電力量5248Whと大容量バッテリーです。1日10Kwh~15Kwh電力消費する家庭でしたら、電化製品の使い方を節電志向へ考え直す事で、半分近く電気代削減を行う事ができる家庭用蓄電池となります。
今回は、Redodoバッテリーからエアコンへ出力を行い、最高70A出力(バッテリー側)連続放電を行いました。250Aまで対応する12.8V410Ahモデルは、まだまだ余裕を残す安定した電力供給となりました。
但し、余裕があるからと言って「もう1台エアコンを追加する」このような使い方は、不安定な電力供給になるため行わない様にしましょう。数ある保護機能がBMS内へ搭載されていますが、ケーブル類は無理やり負荷を強くするとバッテリー保護機能とは関係なく高熱になり危険です。(欲深く何でも同時にバッテリー出力すると、ケーブルへ負担が大きくなる)
安全が確保される状態は「ヒューズ類・バスバー・バッテリースイッチ・サーキットブレーカーなど」を準備して、電源システム内に組み込んでから使いましょう。
ちなみに、消費電力が高くても一定出力する電熱ヒーターなどは、電圧が低くなるに連れてヒーター機能も弱くなる事から使用できます。
そのため、メーカー公称値以上にバッテリー容量を取り出せます。
しかし、瞬間的に消費電力が跳ね上がる家電(エアコン・冷蔵庫など)誘導負荷のある製品は、LiFePO4バッテリー最大容量の99%以上を放電する事は難しいです。
12.8V以下(SOC10%)~10.8V(SOC1%)の間に誘導負荷が発生すると、低電圧切断の領域までバッテリー電圧が引っ張られ停止する仕様になっています。その状態を乗り越え稼働しているなら、冷えないエアコン・温い冷蔵庫の状態で稼働してると言えるでしょう。(インバーター側は10.5V以下より機能切断)
そのため、大容量バッテリーから電化製品へ安定した電力供給を行うなら、満充電電圧(13.5V)から定格電圧(12.8V)以上を目安に使う事をおすすめします。大容量リン酸鉄リチウムイオンバッテリーを5年近く使っていますが深く放電するメリットは有りません。
どうしても電化製品へ安定した電力供給を行うなら、バッテリー個数を増やして並列接続を行い、2つのバッテリーから家電製品へ電力供給する。ケーブル損失を防ぐ・電化製品を効率よく複数動かしたい、このような場合は、直列接続を行いバッテリー24V化するなど工夫を取り入れましょう。
バッテリーに「○○Ah」と表示されている場合、実際に○○Ahの電力を利用することが出来る家電製品、電力を取り出せない家電製品もあると覚え、メーカーが表示する公称容量へ疑問がある場合は、リン酸鉄リチウムイオンバッテリー安全データシート(SDs)内を確認しましょう。
関係各所へ申請した証明書に容量記載があるため、表示より低い容量を販売する事は初期不良以外ないです。逆を言えば、SDsシートを私たちへ発行できないメーカーはバッテリー容量へ疑問を持たれても仕方ありません。
定期的なメンテナンスが必要な理由
鉛バッテリーでは充電をスムーズに送り電圧を保つメンテナンスとして、電解液の補充を行います。目的は水とバッテリー液(硫酸)の相対的な比重を整えるためです。
作業を怠ると電解液の少ない状態では、空焚き充電になり濃い硫黄臭が発生します。液の入れすぎや充電管理が不足すると、フルチャージを超えた過充電(無色無臭の水素ガス発生)となり、吸引・火器使用がNGになる大変危険なガスが発生します。
その点、LiFePO4バッテリーはBMS基盤により充電・放電どちらの管理も行われている事から、バッテリー素材や構造上ガス発生がありません。(但し、セル損傷の場合は除く)
上記の安全性の違いから「LiFePO4バッテリーにはメンテナンスが必要ない」と定着しており、メンテナンスフリーバッテリーとして周知されています。
しかし、
- 保管に対しての自然放電(自己放電)を避ける定期的な充電
- 並列接続によるセル電圧を整える定期的な充電
2通りの充電が必要になります。
「バッテリーの機能を取り戻す・配置替えを行いセル負担を軽減する」どちらも定期的に行う充電は、立派なメンテナンス作業になります。
メンテナンスを怠ると、
- 自然放電(自己放電)によるバッテリー0V
- 並列接続によりLiFePO4セルが傷む(負極側のバッテリー)
メンテナンス方法としては、どちらもLiFePO4専用充電器(CCCV充電)を使いバッテリー満充電を行います。
その後、バッテリーを保管する場合は「製品到着の際の電圧13.15V前後」を目安に高温多湿な場所を避け、温度の一定した場所で保管しましょう。(個人的には13.0V30%~13.1V40%内が良いと感じる)
バッテリー並列接続のメンテナンスとしては、紐解いた複数のバッテリーへ個別に充電を行い、電圧差0.1V未満へ留めバッテリー配置を入れ替え再並列接続する。(ケーブルを接続して最低24時間は、各バッテリー電圧を均等にしましょう。)
※セルから作るリン酸鉄リチウムイオンバッテリーへ、アクティブセルバランサーを取り付けると、この作業が要らなくて色々便利だと思います。充電中のみ電圧均等を行うパッシブルセルバランサーでも、5年は使えてますから手間が増えるだけで悪くはないです。
保護機能の重要性
Redodoバッテリー12.8V410Ah内部には、LiFePO4セル保護を目的とした基盤が搭載されており、充電放電に対して不測の事態が発生した場合にバッテリー機能を止める重要な役割を担っています。
充電・放電に対して不測の事態
- 過充電
- 過放電
- 過電圧
- 過電流
- 短絡
- 過熱
※各6点の事態に合わせてBMSが保護機能を使う(バッテリー自体を守るため充電放電の停止)
- 短絡2回⇒ボケーっと作業をして24Vショート…恐ろしい💦
- 過放電2回⇒就寝中のバッテリーエアコン…低電圧アラーム気づかなかった💦
- 過充電3回⇒LiFePO4専用充電器14V20Aなんだけど…秒で15Vを超えた💦(PVチャージでも有った)
- 過負荷1回⇒BMS連続放電値を超えたバッテリー出力(少し関係ないけど記載します)
保護機能が働くからと言っても、頻度良く発生させてはバッテリー機能停止から故障へ繋がる原因になります。
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過充電について
充電中の容量が100%を超えても充電を続けてしまう状態です。
過充電保護機能が働かないと、セル膨張・破損・爆発など危険な状態を引き起こします。
過放電について
放電中(出力)の容量が0%を表示している状態です。
過放電機能が働かず更にエネルギーを取り出そうと放電してしまうと、バッテリー劣化から蓄電機能の低下を引き起こします。
過電圧(V)について
指定された電圧幅を超えた充電状態です。
過電圧保護が働かないと、セル膨張・破損・爆発など危険な状態を引き起こします。
過電流(A)について
許容量よりも多くの電気が送り込まれる状態です。
過電流保護機能が働かないと、LiFePO4バッテリーを構成する様々な部品が高温になり、焼けたり溶けたりします。
短絡について
バッテリーターミナルボルト接続端子2点間へ(プラス側・マイナス側)導体で接続すること。(ショートする事で大電流が通過する)
また、電気が決められた回路を通らず、何らかの要因(接続工具・絶縁の破れ・漏電)により、回路が生じた場合にも発生します。他にも物理的なケーブル切断でも起こりえる事です。
短絡保護が機能しないと、2点間はバッテリー残量が無くなるまで放電(出力)を続け大変危険です。
過熱について
LiFePO4セル温度が上昇して、バッテリー自体が熱くなりすぎることです。
内部過熱では、LiFePO4セル自体の短絡(ショート)により温度上昇が発生します。幸いなことに90℃まで上昇が続き発火温度まで到達せず、リチウムイオンバッテリーの中では非常に安全と言えるでしょう。
外部過熱では、周囲の温度によって影響を受けます。(火の中には投げ入れない事)
※Redodoバッテリーは温度センサー搭載のため、バッテリー過熱を感知します。
※低温カットオフ機能は無いため、寒冷地のPV充電は特に注意が必要です。
充電温度の範囲|摂氏:0℃~50℃(華氏:32℉ to 122 ℉)
同時にBMSは充電・放電の監視も行っている事から、バッテリー使用に対して劣化を最小限に留める役割も果てしており、バッテリー寿命を延ばす重要な基盤となっています。
- 負荷(使用製品)に対して機能する
- 不要な電圧電流に対して機能する
- 不要な電気回路の発生に対処する
- バッテリー内外の温度から守る
耐候性を知り耐久性も考えよう
バッテリーパックケースの耐久性
自動車のサブバッテリーシステムに多く使われているリン酸鉄リチウムイオンバッテリー
サブバッテリーとして設置する場合は、車両の揺れ(横揺れ・縦揺れ)を意識して固定する事で、バッテリーと他の物の干渉を防止できます。
固定しない場合には、車両の揺れによりケース自体が長期的に擦れたり、急カーブによる遠心力からバッテリーが他の物へぶつかり合い損傷へ繋がります。バッテリーケージング(枠)を作り、しっかりと縦横の揺れを防止する固定対策を行いましょう。
バッテリーパックケースに一般的な耐久性があっても、アクリロニトリル・ブタジエン・スチレン(ABS)ケースは強い衝撃を受けると割れる物です。ABS樹脂の融点は約100℃になりますから外部過熱以外に溶ける事は無いにしても、ケース損傷からLiFePO4セル破損までは起こりえる事です。
※万が一リン酸鉄リチウムイオンバッテリーから白煙を確認した場合は、喚起を行い「吸引・煙に触れない」行動をとりましょう。煙の正体は「ハフニン」と呼ばれると言われ、人体(特に目)に有害です。
IP65防塵防水等級のあるバッテリーパックケースの耐候性(防塵6+防水5=IP65)
雨や高圧ジェットに耐えられる耐候性を持っているバッテリーケースです。
しかし、濡れても良い防水性能ではありません。設置する場合はバッテリー本体が濡れない環境を作り、濡れてしまった場合は絶縁手袋を装着して乾いた布で拭き取りましょう。(防塵等級6については、とても高く問題ない)
Instagramなどで、LiFePO4バッテリーを水没させ出力(放電)する。少々大げさな防水性能チェックを行うブランドもあります。基本的なバッテリー使用方法から逸脱している行為です。真似はしないようにご注意ください。
防水等級8が完全防水仕様と考えると「防水等級5」は水没するとケース内へ入水する恐れがあります。
上記の事を踏まえるとRedodoバッテリーの耐候性は一般的と言えるでしょう。
バッテリー仕様から見た耐久性
LiFePO4バッテリー12.8V410Ah(定格電圧12.8V×容量410Ah=電力量5248Wh)
安定出力が長く続く電圧は、13.3V~13.0V間です。充電状況SOC10%を掛けて電力計算を行っていますから、電力量5248Wh以上取り出せて当たり前になります。
公称値以上の電力量を取り出すためには、充電電圧を規定以上へ高める事で、蓄電量が増えるリン酸鉄リチウムイオンバッテリーです。
但し、安全性の問題からLiFePO4セル1つへ「3.2V×4直列接続=LiFePO4バッテリー12.8V」を作り出しており、充電電圧上限は1セル3.65V×4セル=14.6V(14.4±0.2V)となっています。(メーカーによって充電電圧の上限に少しばかり誤差がある)
少々話がそれます。
4セルを覆うバッテリーケース素材がABSでは無く、金属製で強固なタイプだとLiFePO4バッテリー12.8V200Ah記載なのに、チャージ電圧15V表記を見たことがあります。(分解していなく内部チェックまでは行っていません)
そのバッテリーに関しては、若干冷え込んだ環境で130Ah電気容量を取り出せたと報告を受けました。充電電圧が14.6Vならフルチャージまで行えてないと考え「概ね当たっているのかな?」当時の私は感じました。
何を申し上げたいかと言いますと、バッテリー仕様から見たデータは、環境・充電電圧・バッテリーケース素材によって変わる物と思っています。
その影響を受ける部分がLiFePO4セルになり、バッテリー本体の耐久性へ関わる事だと感じます。
ABSケース採用のLiFePO4バッテリーも、毎日使い続けて5年目に入りましたから高温・低温にならない安定した温度環境内での使用であれば、
- バッテリー容量に見合った発電(少々低くても可)
- 負荷を極端に強めない放電(消費電力が高い物は1電源システムのみで使う)
- バッテリー出力を終える電圧を決める(わが家は13.0Vまで放電)
- 2個以上~4個未満のバッテリー並列接続をする(誘導負荷の対策)
上記4点を心掛けて使うと「充放電サイクル4,000回以上/寿命10年」を達成可能です。
※12.8V200Ah×3並列接続リン酸鉄リチウムイオンバッテリー
「夏⇒エアコン・冬⇒冷蔵庫」年間通して使用する事は、何の問題もありません。
そして、5年間のメーカー保証も付いてますから、安心してRedodoバッテリーをご使用ください。(さすがグレードAセル)
但し、記事途中で述べたように「1つのバッテリーへ負担を押し付ける」このような使い方と「温度を気にせず設置する」2通りの使い方は、色んな動画サイトやブログで拝見しますが、定格12.8Vバッテリーでは良い結果へ辿り着けません。
そして、パッシブルセルバランサーでは、深く放電しないと決めて使用することも大切です。セル電圧を落としてしまっては、必ず耐久性を超えバッテリー機能の停止を経験します。
それならば、容量の少ないリン酸鉄リチウムイオンバッテリーを複数持つ方が、長寿命を達成するために重要な考え方と私は言い切れます。
2年目・4年目の猛暑日は「充電入らないな~」って感じると思います。寒い場所では過放電の経験も増えるでしょう!(結局はバッテリーですから仕方のない事です)
容量拡張がバッテリー寿命を長くする
鉛バッテリーの容量拡張では、特に並列接続を行う事で発生する「循環電流の影響」により多くサイクル数が削れバッテリー寿命を引き下げます。
また、過放電によるサルフェーションの蓄積も同様に電圧抜け(降下)を感じます。他にもバッテリー自己放電率が高い事から、容量拡張には少々不向きな部分が多いです。(価格が安い事はメリット)
4P(並列)4S(直列)接続メリット
- 電圧(V)が高くなり電化製品を稼働しやすい
- 使用する電流(A)が低くエネルギーロスが少なくなり配線を細くしやすい
- 全体的な容量がとても多い
12.8V410Ahリン酸鉄リチウムイオンバッテリーから51.2V1640Ahを作れたら「発電⇒充電⇒蓄電⇒放電(出力)」上記2点の理由から一連のサイクルに殆ど無駄が出ません。
ここまでの作り込みを行なえれば、リン酸鉄リチウムイオンバッテリー12.8V410Ahとしてのゴールへたどり着いた状態になり、電力不足になる事もないでしょう。
では、12.8V(12Vリン酸鉄リチウムイオンバッテリー)並列接続なら循環電流の影響は受けるのか?実際1460日、リン酸鉄リチウムイオンバッテリーを使った感想含めてお伝えします。(チャージコントローラーの日数ね♪+180が本当の日数)
結論から申し上げますと、影響は受けていますが問題ないレベルです。
使い込んだ分だけの劣化や季節による環境温度から発電・充電の不足を感じる程度に納まります。
要するにバッテリー個数が肝心
日中の太陽光発電によりLiFePO4セル電圧均等を行い、日没後のバッテリー出力へスタンバイを行う。Redodoバッテリーにパッシブルセルバランサー搭載であるため「出力後に充電する」このような充電⇔放電サイクルを整えれば、セル電圧の不均等時間を短く収まり、循環電流の影響など気にする必要はありません。
バッテリーを使用する目的に容量不足またはギリギリでは、セル電圧の差が開きやすいです。深く放電を行わず、バッテリー容量を総合的に増やして「出力電圧の下限」を決めましょう。
並列接続中のバッテリー使用後に、長期間放置する事が電圧の不均等へ繋がります。充電の無い状態が続くと、傷みかけた(劣化の進んだ)電圧の低いセルがバッテリー機能停止へ向け他セルの足を引っ張ります。天候不良による低い発電量でも問題ありません、ソーラーパネルとチャージコントローラーを使い翌日に発電をバッテリーへ入れてあげましょう。
そして、充電放電を毎日繰り返しながら使うことが、費用対効果の良いリン酸鉄リチウムイオンバッテリーの使い方になり、製品保証5年を越え期待寿命10年以上を狙う事が可能になります。
「どんな家電製品も長く使え、バッテリー出力も安定する・故障不調も起こりにくい」これが、リン酸鉄リチウムイオンバッテリー並列接続から容量拡張を行い、バッテリー寿命を長くする方法です。
※たまにはバッテリー配置換えとメンテナンス充電を行う事
バッテリー使用に対して不満の出ない容量を作り、余裕ある放電(出力)充電を繰り返して寿命も一緒に底上げしましょう♪
Redodo|リン酸鉄リチウムイオンバッテリーのまとめ
Redodoリン酸鉄リチウムイオンバッテリー特徴まとめ
良かったと感じた部分
- デザイン性が高く他社には無い爽やかなバッテリーケース
- 取り扱いが容易な大容量バッテリー
- 重量はあるがコンパクトで同容量帯では手ごろな価格
- 専用充電器+正弦波インバーター=簡単なポータブル電源の自作ができる
- バッテリーブランドを統一した電源システムが作れる
- 耐候性は一般的(防塵防水)耐久性はグレードAに相応しい
- 複数のバッテリーを並列・直列接続する事で立派な蓄電池が作れる
- 最低限のセルバランサー搭載により充電⇔放電サイクルを上手く作れば長年使える
- 充放電サイクル数4,000回&寿命10年に加えた5年間のメーカー保証に好印象
悪かったと感じた部分
- 持ち運びの落下(ケース損傷の心配)
- エネルギー密度が他のリチウムイオンバッテリーと比較して低い
- 他のリチウムイオンバッテリーと比較して重い(何度持っても重たい)
- 保管設置に関して温度や容量から劣化へ繋がるため、適切な場所と放置する電圧を考えないといけない
- 低温カットオフ機能の搭載が無く0℃以下の充電がセル破損へつながる(低温時の充電:プレーティング現象デントライト)
逆に使用する場所の温度容量を気にして保管設置を行えば、デメリットを回避で来る。
参考までに私の自宅は、木造トタン屋根(断熱ボードだけ屋根下に入った築70年)温度は、1年通して最低12℃~37℃最高の環境です。(沖縄に住んでいるため低温になる事は無い)
どうしても熱い環境へ設置したい場合は、ポータブル電源に使われている半固体リン酸鉄リチウムイオン電池や海外で出始めているLiFePO4よりエネルギー密度の低い、ナトリウムイオンバッテリーも視野に入れて選ぶと良いでしょう。(輸入が必要かな?)
リン酸鉄リチウムイオンバッテリーを高温な場所で使用するメリットはありません。今後の技術進歩を楽しみ待ち、現状は正しい使い方を覚えて長寿命を目指しましょう。
Redodoへの要望
- 「ヒート機能付き」など容量別に販売してほしい
- マニュアル鉛バッテリー充電モードの記載は要らない
- 丸形端子・ターミナルボルト接続、端子台ごと絶縁できるキャップが欲しい
- デザイン性が高いためABSケース以外のタイプも拝見したい
- アクティブセルバランサーになってほしい
※上記4点はRedodoバッテリー12.8V410Ahを使って思った事です。(是非叶ってほしい)
数あるブランドを使っている私から見ても「充電・放電・容量拡張性・安全性・外見」総合的に見て、Redodoバッテリーの品質は良いです。
他社12Vリン酸鉄リチウムイオンバッテリーと価格面を比較しても手頃なため、大容量ディープサイクルバッテリーが必要な場合は、候補の1つとして選択するのも有りだと感じました。